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Anesth1975

Author:Anesth1975
麻酔科医です。

健診でIgA腎症が発覚。

医者が患者の立場になってみて初めてわかったこと、感じたことなどを綴っていこうと思います。

'13.12.10 腎臓内科初診
'13.12.17 腎生検目的で入院
'13.12.18 腎生検 
'13.12.21 退院 食事制限開始
'14.01.06 診断確定
'14.01.29 扁摘パルス目的で入院
'14.01.30 口蓋扁桃摘出
'14.02.05 パルス1クール開始
'14.02.12 パルス2クール開始
'14.02.19 パルス3クール開始
'14.02.21 退院 → 4週毎の外来受診
'14.11.04 食事制限解除
'14.12.02 寛解のお言葉を頂戴する
'15.01.27 外来受診8週毎に
'15.09.09 外来受診12週毎に

現在の処方 '14.12.02〜
 オルメテック(20mg) 1錠
 ノルバスク(5mg)1錠

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東京医科大学の裏口入学事件を見て思うこと④-これで最後です-
いつの間にか1ヶ月のご無沙汰になってしまいました。
前回お約束した通り、この話題についての投稿は今回で最後にするつもりです。長くなってしまうと思いますが、よろしければお付き合いください。

件の話題も本来は汚職事件であったことなどすっかり忘れ去られ、マスコミの興味は「私立大学医学部合格者の男女比」にばかり向いているようですね。まったく呆れるばかりです。

検索エンジンで、「国立大学」「医学部」「男女比」あたりの単語で検索をかけてみてください。
国公立大学を含めても、男女比が1:1になっている医学部なんてごくごくわずかで、無いに等しいと言っても過言ではありません(東京女子医大はもちろん例外です)。例えば東京大学理科Ⅲ類ではおよそ8:2です。

私立医大→学費が高い→金持ちのボンボンの集まり といった発想で、私立医大の不祥事ともなればマスコミの格好の餌食なんでしょうが、この件に関しては国公立大学だって状況は変わらないのですよ。国も知らなかったはずはありません。そしてこの事実は、いままで隠されていたわけでもありません。

長年このような状況が続いている以上、当然そこには理由があるはずです。そこを論じることなく、ただ「男女差別だ!」と騒ぎ立てることにどれだけの意義があるのでしょうか?
海外と比較する論調も目にしますが、これも無意味です。そもそも外国と日本では医療の制度が違うからです。

この騒ぎもそのうち収束するのでしょう。しかし仮に収束せず、日本中の医学部で合格者の男女比が1:1になるようなことが本当に起これば、いずれ必ず問題が生じるだろうと私は考えます(詳しくは省きますが)。そしてその影響で不利益を被るのは、結局は患者(=国民)です。しかも問題が生じるとしてもそれは今すぐではなく、顕在化するのはさらに10年、20年先のことになるでしょう。つまり、本当に困るのは我々の子供たちの世代です。
マスコミはいったい、この国をどうしたいのでしょうか?


前置きが長くなりましたが、本題に移ります。
もしこの事件が明るみに出なかったら、裏口入学の彼はどうなったか? です。

ネットの書き込みなどを見ると「このまま医者になっていたらと思うと恐ろしい」というような意見が多いようですが、私は必ずしもそうは思いません。このように書くと怒る方も多いとは思いますが、しばらくお付き合いください。

ネットで流れている情報が本当なら、一次試験で10点の上乗せがあったということになります。二次試験では、少なくとも彼だけを優遇するような不正はなかったようです。
東京医大の一次試験は400点満点です。実際の試験問題を見ていないのでわかりませんが、400点満点中の10点とすると、小問2〜3題分程度でしょうか。つまりあと数問正解できていれば、不正な加点がなくても合格できるだけの学力はあったわけです。入学試験には運が作用する部分もあるでしょうから、もし彼の得意分野の出題がたまたま多ければ、普通に合格できた可能性もあるわけです。
ですので、学力そのものに大きな問題があったとは思いません。

ただし、入学後の試験や実習は決して楽ではありません。周りの同級生たちと同じようにやっていれば大抵は大丈夫なのですが、やはり真面目さや器用さや根気、あるいは「医者になりたい」という意思がないと容易に脱落します。
他の学部と違って選択科目なんてありません。小中学生のように全員がひとつの教室で、同じ時間割で授業を受けます。ひとつでも単位が足りなければ留年します。
実習では夜遅くなったり、レポートや宿直などで朝までかかることもザラでした(私の頃はです)。
国家試験は合格率こそ8〜9割ですが、だからといって簡単というわけではありません(時折マスコミのこういう論調を目にしますが、本当に腹が立ちます)。苦労して医学部に入学して卒業しても、これに合格できなければ全てパーになるのです。皆必死に勉強するからこそ、これだけの合格率になるのです。

私の印象では、医学部に入学しても数%〜1割程度は最終的に医者になれない学生が出ているのではないかと思います。

これもネットの情報ですが、件の彼はどうやら自分が裏口で合格できることを事前に知っていたフシがあり、センター試験の直前にも海外旅行を楽しんでいたとのこと。しかもそれを恥じることも隠すこともなく、ツイッターに堂々と載せていたことを考えると、性格に問題があると思わざるを得ません。そこで真面目に勉強していれば、問題なく合格できたかもしれないのに…。
このままの姿勢でいればどこかで脱落する可能性は高いと思いますし、個人的には脱落してほしいです(笑)。

それでももしこのまま在学し続けて進級・卒業・国家試験合格までたどり着けたとすれば、それなりの能力はあったということになりますし(すべて運だけで通過するのはまずムリです)、上記のように基本的な学力も悪くはないわけですから、医者として問題なくやっていけるのではないかと思います。
実名や顔までバレてしまっているこの状況に本人が耐えられれば、ですが。

まあ何れにしても、個人的には許せませんし、ゼッタイに関わりたくありませんけどね。
大学受験って、やる以上は全力でやらなければいけないものだと思っているもので。この辺りのことはまた別の機会にでも。

要するに、
「彼は学力はそれなりにあるようだ。もし今回の事件が明るみに出なかったとしても、医師免許取得までたどり着けたならば、結果的に医者としての能力はあったということになるだろう(私の個人的な感情は別として)。」
というのが私の考えです。

以上、これで終わり!


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麻酔科医として | 23:37:35 | トラックバック(0) | コメント(0)